自作ワニワニパニック

昔通っていた学校の課題で予算と期限内に製作でき、
なおかつ機械、電気、電子に関するものなら何を作っても良いとのことで、
予算内で作れるものとして、自作でワニワニパニック(もどき)を製作してみました。
ワニワニパニックを知らない人はいないかと思いますが、
ゲームセンターにあるワニをハンマーで叩くアレです。

これは自分ひとりで作ったものじゃないです。 完成できたのは共同制作者のCanserとN井君のおかげです。
Cancerが主にプログラム、N井君が得点板などの電子系のモノを作成、自分が筐体や的の設計等です。
そのため、自分が担当した所以外あまり細かい所までわかりませんのでご了承ください。

1.どうやって動作させるのか?

ワニワニパニックってのはワニが巣?から前に出てきた所を叩き、叩くとワニが巣?に戻るという動作をします。
つまり、前後にワニを移動させる仕組みを作る必要があります。
この前後させる仕組みとして、空気圧を利用して前後するピストンを使用しました。
最初はモーターを利用して同じ動作をさせようと思いましたが、機構が難しくなりますし、
予算の問題で、学校にあった空圧機器を利用することにしました。

図にも書いていますが、ソレノイドをシーケンサによって制御し、
空気の流れる方向を制御してピストンを前後させています。



シーケンサっていうのは、打ち込んだプログラムによって動作する
自動スイッチ切り替え機と思ってもらえれば良いです。
時間によってオンオフを切り替えるタイマー機能や、
何回スイッチがオンオフをしたかによって動作するカウンタ機能など、
色々便利な機能も付いています。

で、このピストンの先に的(ワニみたいなやつ)を取り付けてやれば前後の動作ができるというわけです。
的を叩いたり、的が前に出てから一定時間が経つとシーケンサのスイッチが入り、
ソレノイドのオンオフを切り替え、 ピストンが下がると的が後ろに下がるといわけです。

2.筐体を作る

まずは筐体作成から始めます。

・フレーム

使った部品はアルミのアングル30mm×30mmで3mm厚。
アングルはL字のアルミ棒だと思ってください(写真が無い)
このアングルを組み合わせてフレームを組み上げます。

フレームを組むのにあたり、角の部分に木の角材を使いました。
なぜ木の角材かと言うと、組んだときに直角を出すのが楽だからと、
この角材にアングルを木ねじで固定するためです。
普通はアングルと固定具とネジとナットで組むと思いますが、空圧機器の振動でナットが外れそうだったのと、
固定具を買う金も無いし、アングル加工して固定具を作るのが面倒だったり(爆)
まあ、理由の半分以上が手抜きのためです(ぉぃ

で、こんな感じに組みました。
筐体が大きいので中心部付近に2mm厚のアルミ板を使い補強を入れました。
また横方向の剛性を上げるのと、的のレール代わりに内部にベニヤ板を追加。


・外装

次に外装を作ります。
材料として5mm厚のベニヤ板と、1mmと2mm厚のアルミ板を使用しました。

完成したフレームにベニヤ板を貼り付け、その上にアルミ板を貼り付けました。
安いベニヤ板である程度の強度を上げ、その上にアルミ板を使うことにより強度と見た目を上げます。
力のかかる部分には2mm厚、それ以外は1mmのアルミ板を使いコストを下げます。

このままアルミの地を生かして鏡面仕上げも良いかと考えましたけど、
加工中に傷だらけになったので不可能と判断し、塗装を施しました。
手を抜かずにちゃんと下地を耐水ペーパーで処理して、クリアを吹いてコンパウンドで磨きました。
おかげで結構綺麗に仕上がりました。

モールを取り付けて角の部分を処理。

また、このように前部が開くようにしました。
これで整備がしやすくなります。
六角ボルトを引っ張ると扉が開きます。
ボルトにバネを付けて収納式にしました。

3.動作部

・的

ワニワニパニックで一番大切な所、的(ワニ)ですが、
ここはかなり苦労をしました。
叩く部分なので強度がある程度必要です。
さらに的をそのまま駆動部分のシリンダに取り付けるので、
的を叩いた時にピストンのロッドが曲がってしまう恐れがあります。
この問題点を解決すべく考えた結果、このような形になりました。



的を4層構造にして、上面を叩くと2層目も同時に下がるようにして、
2層目が3層目のスイッチを押して的を叩いた事を感知します。

的の上下(衝撃吸収)にはスプリングを使用して、十字に4点スプリングを取り付けています。
これで的のどこを叩いても反応するようになってまいます。
ゲーム十字キーと一緒ですね。

しかし、スプリングだけで的の上面を支えると、的の上面がふらふらとグラつくため、
2層目と4層目の四辺に安定用のねじが通してあります。

・得点板

次に得点板です。これが無いとワニワニパニックは面白くありません。

最初はICのみを使って得点の増減を制御する予定だったのですが、
原因不明の不具合で得点の上下の動作が不安定になる症状が発生し、
何度も回路を見直したり色々とやってみましたが、どうにも直らなかったので、
シーケンサを使って力技で解決しました。
つまり、1桁ごとに7個のLEDのオンオフを数値ごとに制御して得点を表示させるという超面倒な事をしたわけです。
専用のICだとこれを勝手にやってくれるので楽チンなのですが。

・プログラム

動作の肝、プログラムです。

シーケンサにプログラムを打ち込んでやり、
ソレノイドを制御して的を前後に動したり、的を叩くと得点を増減させたりという動作を実現します。

今回はレベル設定も用意し、起動時に的が5個同時に出てくるので、
そこでどの的を叩くかによってレベルを選べるようにしました。
左から一番簡単なレベル1、右が一番難しいレベル5という感じです。
さらにそこから的を叩く順番によって、ランダムで的の動作が変化するようになっています。
また、時間が経つごとに動作速度が速くなっていきます。
一回の動作時間は1分に設定しました。
的を叩くと点数が上がり、一定時間で叩けないと減点されます。

4.完成!


右端の白い箱がシーケンサ。 的は5レーン作りました。
配線も作ってシーケンサにつなげて、スパイラルチューブで綺麗にまとめました。
シーケンサの配線+空圧のホースもかなり多いので結構組むのが大変です。
プログラムもできたので、シーケンサにプログラムを転送。
動作をさせると空圧機器の音と、的の動作音と叩く音で
ガシュガシュガシュガシュ(空圧)、カチャカチャカチャカチャ(的)  と、物凄くうるさいです。
でもメカニカルで結構良い音です。
目的の動作は達成したのでこれで完成。
こんな感じで遊べます。↓

ちなみに最強のレベル5(通称HELLコース、UDX風)で動作しています。
レベル5だと相当難しく、的が出てきて静止する時間が0.1秒くらいなので、
まともに叩けずに得点がまったく上がらないどころか、下手すると0点です。
的が出てきた瞬間に叩くのがコツ(コツか?)

あとがき

簡単に書いていますけど、製作に3ヶ月ちょっとかかってます。
特に部品の加工と、正常に動作しなかった得点板には苦労しました。
プログラムもレベル設定を追加したり、得点板まで制御したためかなり長くなりました。
最後に一緒にコレを作ったCancer、N井君、その他関係者の皆様お疲れ様です。