NSRの4st化に必要なもの

NSRを4st化するにしてもNSRの車体にAPEなどの4stエンジンとそれを載せるマウントが必要なのは想像つきますが、
それ以外は何が必要か判りづらいと思うので簡単に必要なものをまとめてみました。

車体

NSRといっても大まかに3種類にあり、94年までの前期、95年以降の後期、レース専用のNSR-Miniです。
前期から後期になる際に、フレームのステアリングパイプの長さ、スイングアームのベアリング化、シート取り付け部の変更などがあります。
Fサスについても後期型の方が良くなっています。これは前期にも流用可能です。
スイングアームについては前期に後期のベアリングタイプを取り付けようとするとフレームの加工が必要になります。
Miniフレームも後期型と共通だと思われます。ただし、レース用のため、公道は走行できません。

ベースとしては後期型orMiniの方が良いのですが、値段が高いため、こだわらなければ前期でもいいと思います。

エンジン

次にエンジンですが、ホンダの4st縦型エンジンといっても実はかなりの種類があり、
APE以外にもCB、XE、XL、XLR、XR、TL、TLR、CRF、他にはR&P、ノーティーDAXなど色々と多彩です。
確認しただけで排気量の違いでも50cc、75cc、80cc、100ccと4種類あるようです。
これに電装系の違いもあり、6Vと12V車が存在し、最近のAPEなどはCDI点火ですが、CBなどはポイント点火です。

ベースエンジンとするなら一番最適なのはXR100およびCRF100、XR100モタード、APE100が比較的新しくパワーもあり、
武川、キタコなどのパーツも揃っているので弄りやすいと思います。50ccと比べてもクラッチが3→4枚に増加、オイルポンプが強化されています。
ただし、値段がヤフオクで60,000円以上と相当高価です。
また、NSRフレームに100ccエンジンを搭載する場合は、ヘッド部分がフレームのステーに干渉するため、一部カットが必要になります。

赤枠の箇所を切り取ります。

安いAPE50エンジンなどの50ccベースという手もありですが、50ccベースと100ccベースではストロークが違うため、
100cc用のマフラーが付かない可能性があります。
また、排気量が違うとマフラー特性が合わないなどの問題もでてくるため、できれば100ccベースが良いでしょう。

6V車などの旧型ベースもありですが、APE用のパーツがポン付けで使えないこともあるそうです。

エンジンマウント

NSRの車体に縦型エンジンを搭載するのに絶対に必要になるものですね。

これも市販の搭載キットから、フレームを加工してエンジンを載せる方法、専用フレームを買うなどがあります。
専用フレームはちょっとNSRから外れる気もしますが・・・・

また、4st単気筒エンジン特有の振動などで2stエンジン搭載時には考えられなかった力がかかり、フレームにクラックが入る事があるそうです。
これもマウントのメーカーで対策は行っているそうですが、どのメーカーが良いか悪いかは今のところNSR+APEの数が少ないので不明です。
某H社は2レースでフレームにクラックといった話はありますが・・・・チューンレベルによっても違うのでなんともいえないところでしょう。

マフラー

マフラーは主にマウントキットと同一のメーカーを使うか、ワンオフになります。
マウントキットによってエンジンの搭載位置が変わってくるため、マフラーの取り付け位置が変わってくるためです。
APE用は取り回しの関係で取り付け不可です。ただしフレーム加工を行った場合は可能になる可能性があります。

ちなみにジェイソンズカスタムワークスマフラー+WILD ROVERマウントはフレームにマフラーが干渉して取り付けできませんでした。
またHARCマフラーでWILD ROVERマウントもダメなようです。
マウントを買う際はマフラーの事も考えて購入した方が良いでしょう。

キャブ

これもAPE用を流用すればと思われますが、NSRに縦型エンジンを積んだ場合、大抵キャブorフィルターがフレームに干渉してしまいます。
APE用のキャブは右側を向くように設計されていることが多く、NSRの場合キャブが右を向くとそこのフレームが・・・といった状態になってしまいます。

例としては、XR100純正のPD22キャブを取り付けた場合、フィルターを取り付けるスペースが無くなるそうです。

他にはAPE50エンジンベースにて、キタコのAPE50用PC20キャブセットの付属マニホールドでキャブ取り付けた際はキャブが右に向いてしまい、
同じくフィルターが取り付けができなくなります。

これについてはAPE100用のマニホールドを使うことによりフィルターが取り付け可能になりました。(逆付けだけど、実用に問題はなし)

PE24キャブについては、武川のモンキー用PE24マニホールドのゴムの部分のみを使うことにより取り付け可能です。

適合するゴムマニを探せばPWK28なども取り付け可能と思われます。
他にはオートボーイのNSRフレーム用のマニホールドが9,450円で販売されています。

電装系

レーサー仕様なら手っ取り早いのがXR100などのレース車からハーネス、CDIなど一式流用することです。
もしくは自作となりますが、CDIなどの特殊な形状のコネクタの入手が問題となります。
自作するとなると以下のような形になると思われます(動作未確認


公道使用にする場合はかなり面倒なことになります。
NSRはヘッドライトとテールランプは交流仕様で、それ以外は直流仕様なのですが、
APEは交流のみで、さらにバッテリーがありません。
APE用のハーネスを流用するにも長さが微妙で、実際には延長加工が必須になります。
NSRのハーネスを流用する手も考えられますが、これもそれなりに加工が必要なります。
さらに不要なケーブルが大量に余るといったことにもなります。

自分はハーネスを自作し、バッテリーを搭載してすべて直流化してしまいました。

スイッチBOXについてはNSRの93年式から採用された別体式を使っています。
それまでのクラッチ一体式やAPE用でも配線次第で可能です。
自作すればスイッチBOXは実際なんでも良いのですが。

APEの場合、キルスイッチは短絡するとOFFになるので注意が必要です。つまり白/黒の線は緑の線と離れている状態でエンジンが始動します。
スイッチによってはRUNで短絡するタイプがあり、NSR250Rのキルスイッチを流用した際はRUNでOFFと逆になりました。
この場合の対策としては、パルスの線をキルスイッチを経由させる事によりキルスイッチの文字通りにRUN/OFFができるようになります。

クラッチ

忘れがちなのがクラッチ関連で、縦型エンジンはクラッチワイヤーのホルダーがエンジンと別体式で、
これを買っておかないとクラッチワイヤーが取り付けられません。

部品番号 50135-GN1-000 カラー,R.リヤエンジンハンガー 235円

クラッチケーブルもAPE用を使用します。

部品番号 22870-GEY-000 ケーブルCOMP ,クラッチ 1,120円 APE50用
部品番号 22870-KRL-000 ケーブルCOMP ,クラッチ 1,210円 APE100用

50と100で違うようですが、実際どの用に違うかはわかりません。

レバー側のクラッチホルダーについては93年式以降のNSR純正がそのまま使えるようです。
自分は部品交換会で買ったCRM250?か何かのホルダーをアジャストナットを外して使用しています。

シフト

APEエンジンを搭載した場合、95年式以降のリンク式シフトを取り付けないと逆シフトになります。
逆シフトにしたいならそのままでも良いです。リンク式は転倒時の修復が面倒そうです。

余ったエイプ用のシフトペダルでこんなのを作ってみました。

メガネレンチで曲げてNSRフレーム用にあわせました。
コケても簡単に戻せるので逆シフトになれると結構いいですよ。

キックスターターアーム

APE純正のキックスターターアームではブレーキペダルに干渉してしまいますが、
NSR純正のキックスターターアームを流用することにより干渉を回避できます。

実際に取り付けているのがNSR用、重ねているのがAPE用。

まとめ

一覧に簡単にまとめてみました。 問題となりそうな点はこんなところでしょうか。
パーツ 注意点
車体 後期orMiniがベスト。前期でも特に問題は無し。
エンジン 100ccのエンジンがトータルで一番楽。ただし値段が・・・
エンジンマウント 仕様、値段からして色々。データが少ない。マフラーとの兼ね合いも。
マフラー マウントと同一メーカー(HARCは社外アリ)かワンオフになる。
キャブ APE用のキットはフレームに干渉する可能性大。対策要。
電装系 レーサーならXR100などを流用。公道使用は自作した方が楽?
クラッチ エンジン側クラッチホルダーを忘れずに購入。
シフト 95年式以降のリンク式を使うと正シフト仕様になる。
キックスターターアーム NSR用を使うと干渉を避けられる。


ここまで書いてなんなんですが、実はホンダからNSF100という4stレーサーが販売されることになりました。

お値段は399,000円。値段は高いですが、作る手間を考えると・・・・・
フレームはNSRベースで、ハンガー部分の変更、ネック部分の補強などがされているそうです。
エンジンはCRF100ベースで8.4ps。ミッションもカムもそのまま。ステーターが違うくらい?
逆シフトなので、正シフトにするにはリンク式のチェンジペダルが必要になります。
ちなみにフレームは96000円。
カウルが結構安く、アッパーとアンダーのセットが31800円、シートが18000円です。
流用に結構使えそうです。キャブのマニホールドはPD22用として使えますね。3700円です。

CDIは10500rpmリミットで使い物になりません。

乗ってみた感想としては、とにかく乗りやすいの一言。
エンジンはトルクがあって、あまり半クラを使わなくても普通に走ってしまいますし、
足回りもデフォルト状態でも安定して良く曲がります。
非常に完成度が高くて驚きました。さすがHRCといったところでしょうか。
初めてサーキット走るならちょうど良いバイクですね。

気になるところがあるとすれば、シートの位置が前乗りになるので、大柄な人だとちょっと辛いかも?
それと、空冷のエンジンなのでどうしても油温は上がってしまいます・・・・
夏場だとすぐにオイルがダメになりますね。

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